高齢者が痩せてきたらどうする?管理栄養士が教える原因と対策【フレイル予防】

最近、両親が痩せてきていませんか?

久しぶりに実家へ帰ったとき、

「なんだか前より細くなった気がする」

そう感じたことはありませんか?

高齢者の体重減少は単なる老化ではなく、体力や筋力の低下につながる重要なサインです。

特に65歳以上では、「少し痩せた」が将来的な介護リスクにつながることもあります。

今回は管理栄養士の視点から、

  • 高齢者が痩せる原因
  • フレイルとの関係
  • 家族が確認したいポイント
  • 食事でできる対策

についてわかりやすく解説します。

目次

高齢者が痩せるのはなぜ?

年齢を重ねると体重が減りやすくなります。

主な原因は次の通りです。

食欲の低下

高齢になると

  • 活動量の低下
  • 消化機能の変化
  • 味覚や嗅覚の低下

などにより食欲が落ちやすくなります。

若い頃と同じ量を食べられなくなるのは自然なことです。

噛む力・飲み込む力の低下

入れ歯が合っていない

歯が痛い

飲み込みにくい

などの問題があると、食事そのものが負担になります。

特に肉や野菜など硬い食品を避けるようになるため、たんぱく質不足につながりやすくなります。

病気や生活習慣の影響

高齢者の体重減少は、加齢だけでなく病気や生活習慣が関係していることがあります。

例えば、

  • がん
  • 心不全
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)
  • 認知症
  • うつ状態

などの病気です。

また、

  • 喫煙
  • 運動不足
  • 外出機会の減少

もフレイルを進行させる要因になります。

特に短期間で体重が減った場合は、一度かかりつけ医に相談することをおすすめします。

高齢者の体重減少は「フレイル」のサインかもしれません

近年注目されているのが「フレイル」です。

フレイルとは、

健康な状態と介護が必要な状態の中間段階

を指します。

フレイルになると

  • 転倒しやすい
  • 入院しやすい
  • 要介護状態になりやすい

といったリスクが高まります。

しかし、フレイルは早めに気づき対策することで改善できる可能性があります。

フレイルのチェック項目

3個以上当てはまる場合はフレイルの可能性があります。

特に体重減少は早期発見の重要なサインです。

家族がまず確認したいポイント

高齢者が痩せてきたら、「頑張って食べて!」と言う前に原因を探してみましょう。

歯科受診はしていますか?

高齢になると、入れ歯の不具合や歯の痛みが原因で食事量が減ることがあります。

「最近お肉を食べなくなった」「硬いものを避けるようになった」という場合は注意が必要です。

体重が減ると歯ぐきもやせるため、以前は問題なかった入れ歯が合わなくなることもあります。

歯科受診が何年もない場合は、一度相談してみることをおすすめします。

口の中は清潔ですか?

口腔内の汚れや乾燥は

  • 味がわかりにくい
  • 食欲が出ない
  • 飲み込みにくい

原因になります。

一人で食べていますか?

高齢者は孤食になると食欲が低下しやすくなります。

私たちも一人の食事だと簡単に済ませてしまうことがありますが、高齢者も同じです。

「自分一人だからこれでいいや」と、パンやお菓子だけで済ませたり、おかずを作らなくなったりすることがあります。

食事は栄養補給だけでなく、楽しみや人との交流の時間でもあります。

家族との食事や会話の機会を作ることで、食欲が改善することもあります。

買い物に行けていますか?

体力低下で買い物が難しくなると、

菓子パンや麺類だけで食事を済ませるケースも少なくありません。

食材の確保も重要な視点です。

高齢者は「低栄養」が怖い

高齢者の場合、

メタボよりも低栄養のほうが問題になることがあります。

特に不足しやすいのは

  • たんぱく質
  • エネルギー
  • ビタミン類

です。

体重が減ると筋肉も減ります。

筋肉が減ると

  • 歩けなくなる
  • 転びやすくなる
  • 寝たきりになる

という悪循環に入ってしまいます。

食事で意識したいポイント

毎食たんぱく質を入れる

たんぱく質は筋肉や体をつくる大切な栄養素です。

高齢になると筋肉が減りやすいため、意識して摂ることが大切です。

肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを毎食1品取り入れましょう。

食事量が少ない方は、まず「毎食たんぱく質を1品」を目標にしてみてください。

少量でも高エネルギーにする

食事量が少ない場合は、

  • マヨネーズ
  • オリーブオイル
  • チーズ

などを活用します。

少ない量でも効率よくエネルギー補給できます。

間食を活用する

高齢者は3食だけで必要量を満たせないこともあります。

  • プリン
  • ヨーグルト
  • カステラ
  • バナナ

などを上手に活用しましょう。

食事だけでは足りない時は栄養補助食品も選択肢

実際の栄養指導でも、

食事だけでは十分な栄養が摂れない方は少なくありません。

そんな時に役立つのが栄養補助食品です。

例えば、

  • メイバランス
  • エンジョイクリミール
  • アイソカル100

などがあります。

1本で200kcal前後のエネルギーとたんぱく質を補給できるため、

「ご飯が半分しか食べられない」

「体重が減ってきた」

という方の栄養補給に活用されています。

食事の代わりではなく、

食事にプラスする補助食品として考えるのがおすすめです。

まとめ

高齢者の体重減少は、

単なる老化ではなくフレイルや低栄養のサインかもしれません。

まずは

  • 食欲
  • 歯の状態
  • 食事環境
  • 病気の有無

を確認しましょう。

そして、

食事量が十分に確保できない場合は栄養補助食品を上手に活用することも大切です。

「最近、両親が痩せてきたかも」

そう感じた時こそ、早めに対策を始めるタイミングです。

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この記事を書いた人

しろ|病院勤務の管理栄養士

大学病院で栄養管理に携わっています。
病態栄養専門管理栄養士/NST専門療法士。

外来栄養指導や入院患者さんの栄養管理を通して、
「続けられる食事」の大切さを日々感じています。

このブログでは、
現場経験をもとに、暮らしに活かせる栄養の知識を発信しています。

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