食べられないのは量のせい?スプーンや食器が合っていないだけかもしれません

入院中や介護中に、

「最近あまり食べられなくなった」
「食事の途中で疲れてしまう」

そんな様子が見られることがあります。

体重が減ってきている。
低栄養と言われた。

そのとき多くの方は
「食欲がないのかもしれない」と考えます。

ですが実際には、
食べる動作そのものが負担になっていることも少なくありません。

食事は

・スプーンを握る
・食べ物をすくう
・口まで運ぶ

という動作の繰り返しです。

この一つひとつが、想像以上に体力を使います。

食べる動作そのものが負担になっていることも少なくありません。

目次

食事が疲れるサイン

食事量が減ってきたとき、
「食欲が落ちた」と考えられることが多いですが、
食事そのものが負担になっている場合もあります。

例えば次のような様子は、
食事動作に負担がかかっているサインかもしれません。

・食事に30分以上かかる
・何度もすくい直している
・途中で手が止まる
・食器を押さえながら食べている
・食後にぐったりしている

こうした状態では、
食事に多くの体力を使ってしまい、
途中で疲れて食べられなくなることがあります。

そのため、

・食事の量
・食事内容

だけでなく、

食器やスプーンの使いやすさを見直すこと
食べやすさ改善のポイントになります。

食べにくくなる原因のひとつは「手の力の低下」

栄養が不足すると、筋肉量は少しずつ減っていきます。
この状態は サルコペニア(筋肉量の減少) と呼ばれ、高齢者では特に起こりやすい変化です。

筋肉量の低下は脚だけでなく、
腕や手の筋肉にも影響します。

そのため、

・スプーンを握る
・食べ物をすくう
・口まで運ぶ

といった動作が、以前より負担に感じることがあります。

食事の動作は一つひとつは小さく見えても、
実際には 細かな筋肉を多く使う動きです。

体力が落ちていると、
それだけで 食事に疲れてしまう原因になることがあります。

スプーンの大きさも意外と重要

スプーンには
先端が大きいものと小さいものがあります。

一見すると、大きいスプーンの方が
たくさん食べられて良いように思えるかもしれません。

しかし高齢者や嚥下機能が低下している方では、
一口量が多すぎることで飲み込みにくくなることがあります。

一口量が多いと

・口の中で食塊がまとまりにくい
・咀嚼が追いつかない
・飲み込むタイミングがずれる
・口の中にたまってしまう

といったことが起こりやすくなります。

その結果、
むせ込みや誤嚥のリスクにつながることもあります。

そのため介護用スプーンでは

・先端がやや小さめ
・深さがある
・食材をまとめやすい

といった形状が採用されていることが多いです。

食べやすさを助けるおすすめ食事補助具

ハビナース すくいやすいスプーン

このスプーンは、
「すくいやすさ」と食事動作の安定性を重視して作られた食事補助具です。

特徴は

・皿の縁に沿ってすくいやすい形状
・食材をまとめやすい深めの先端
・軽く扱いやすい素材
・手にフィットしやすい持ち手

一般的なスプーンでは、
食材がうまくまとまらず

すくう → こぼれる → もう一度すくう

という動作が増えることがあります。

このような動作が増えると
食事時間が長くなり、
食事そのものが疲労につながることもあります。

ハビナースのスプーンは
皿の縁に沿ってすくいやすい形状になっているため、
少ない動きで食材をすくいやすい設計です。

一度でしっかりすくえることで
余分な動きが減り、
結果として 食事動作の負担軽減につながります。

食事中に

・何度もすくい直している
・食事に時間がかかる
・途中で疲れてしまう

といった場合には、
食器を見直すことで食べやすくなることもあります。

ウィルアシスト ライトスプーン Mサイズ

このスプーンは、
一口量の調整と持ちやすさを考えて作られた食事補助具です。

特徴は

・一口量が多くなりすぎないサイズ
・すくいやすい形状
・軽く扱いやすい設計
・ステンレス製で衛生管理しやすい
・食洗機や煮沸消毒に対応

柄は 一般的なスプーンより握りやすい太さで、
安定して持ちやすい設計になっています。

また、先端サイズが適度なため
一口量をコントロールしやすいことも特徴です。

高齢者や嚥下機能が低下している方では、
一口量が多すぎると飲み込みにくくなることがあります。

そのため
食事量を増やすことだけでなく、
一口量を調整しやすいスプーンを使うことも大切です。

このスプーンは
扱いやすさと一口量のバランスがよく、
「普通のスプーンより食べやすい」と感じる方が多いスプーンです。

滑り止め付きトレー

食事量が減っている方では、
食器が滑ることも食べにくさの原因になります。

皿が動いてしまうと

・すくうたびに食器が動く
・片手で食器を押さえる必要がある
・食事動作が増える

といった状態になり、
それだけで 食事の疲労が増えてしまいます。

そのような場合は、
滑り止め付きトレーを使う方法もあります。

トレーの表面に滑り止め加工があることで

・食器が動きにくい
・片手でも安定してすくえる
・食事動作が少なくなる

といったメリットがあります。

食器をすべて買い替えなくても、
トレーを1枚敷くだけで食べやすさが改善することもあります。

ユニバーサルデザインの食器

この食器は、

食材をすくいやすい形状に設計されたユニバーサルデザインの食器です。

特徴は

・縁が立っていてスプーンで食材をまとめやすい
・深さがあり煮物やおかゆにも使いやすい
・シンプルなデザインで普段の食卓でも使いやすい

皿の縁にスプーンを当てながらすくえるため、

食材が逃げにくく、少ない動きで食事がしやすい形状です。

刻み食ややわらかい食事でも扱いやすく、

食事動作の負担を減らすことにつながります。

管理栄養士からのポイント

食べやすい食器を選ぶときは、

・すくいやすさ
・一口量
・持ちやすさ
・食器の安定性

この4つを意識すると、
食事動作の負担を減らしやすくなります。

食器を変えるだけで食事量が増えることもある

介護現場では、

「食事量が減った」と思っていた方が

スプーンを変えただけで食べられる量が増えた

というケースも少なくありません。

これは

・すくいやすい
・軽い
・握りやすい

という条件が揃うことで、
食べる動作の負担が減るためです。

食事量が減っているときほど、

・食事量を増やす
・栄養補助食品を追加する

その前に、
「楽に食べられる環境」を整えることが大切です。

こんな方におすすめ

・食事中にすぐ疲れてしまう
・食事に時間がかかっている
・手の力が弱くなってきた
・食器を膝の上に置いて食べている
・何度もすくい直している
・最近、食事量が減ってきている
・低栄養や体重減少を指摘された

ひとつでも当てはまる場合は、
食事内容だけでなく、食器の見直しも検討してみてください。

まとめ

食べられないのは、量が多いからとは限りません。

スプーンが重いだけかもしれない。
うまくすくえないだけかもしれない。

ほんの小さな工夫が、
体力を守り、栄養状態を支えることにつながります。

「もっと食べてほしい」と量を増やす前に、
まずは楽に食べられる環境を整えること。

それが、摂取量改善の第一歩になることもあります。低栄養になると、手の力も落ちる


栄養が不足すると、筋肉量は少しずつ減っていきます。

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この記事を書いた人

しろ|病院勤務の管理栄養士

大学病院で栄養管理に携わっています。
病態栄養専門管理栄養士/NST専門療法士。

外来栄養指導や入院患者さんの栄養管理を通して、
「続けられる食事」の大切さを日々感じています。

このブログでは、
現場経験をもとに、暮らしに活かせる栄養の知識を発信しています。

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