「高齢者はたんぱく質をどのくらい摂ればいいの?」
「年をとるとたんぱく質が大事と聞くけど、どのくらい必要?」
このような疑問を持つ方は多いと思います。
高齢になると筋肉量が減りやすくなり、体力や活動量の低下につながることがあります。
そのため、たんぱく質をしっかり摂ることが健康維持のために重要になります。
この記事では
・高齢者に必要なたんぱく質量
・たんぱく質不足で起こること
・効率よくたんぱく質を摂る方法
について、管理栄養士の視点からわかりやすく解説します。
高齢者に必要なたんぱく質量
高齢者のたんぱく質必要量の目安は
体重(kg)×1.0〜1.2g
とされています。
例えば体重50kgの場合
50〜60g / 日
が目安になります。
年齢を重ねると筋肉量が減りやすく、
体力や歩行能力の低下につながることがあるためです。
そのため高齢者では、
筋肉を維持するために十分なたんぱく質摂取が重要とされています。
身長・体格別のたんぱく質必要量の目安
体重によって必要なたんぱく質量は変わります。
参考として目安をまとめると次のようになります。
| 体重 | 1日のたんぱく質目安 |
|---|---|
| 40kg | 40〜48g |
| 45kg | 45〜54g |
| 50kg | 50〜60g |
| 55kg | 55〜66g |
| 60kg | 60〜72g |
| 65kg | 65〜78g |
小柄な方でも 40g程度は必要になります。
身長からみた体格の目安
身長から標準体重(身長から計算される「健康的な体重の目安」。身長(m)×身長(m)×22 で求める。)を考えると、高齢者では次のような体格の方が多く見られます。
| 身長 | 標準体重目安 | たんぱく質量 |
|---|---|---|
| 145cm | 約46kg | 46〜55g |
| 150cm | 約49kg | 49〜59g |
| 155cm | 約52kg | 52〜62g |
| 160cm | 約56kg | 56〜67g |
このように、
多くの高齢者では1日50〜60g程度のたんぱく質が必要になります。
なぜ高齢者はたんぱく質が大切なのか
高齢になると、筋肉量は少しずつ減っていきます。
この状態を放置すると
・筋力低下
・歩くスピードの低下
・転倒リスクの増加
などにつながることがあります。
さらに筋肉量の低下が進むと
フレイル(虚弱)
と呼ばれる状態になる可能性もあります。
そのため、たんぱく質を意識して摂ることが重要です。
たんぱく質を効率よく摂るポイント
ご高齢の方に栄養食事指導をすると、「肉や魚はよく食べています」と答える方も多くいらっしゃいます。
しかし実際に詳しく聞き取りをしてみると、肉や魚を食べているのは夕食だけというケースも少なくありません。
たんぱく質は一度にまとめて摂るよりも、1日3食に分けて摂ることが大切です。
その方が筋肉のたんぱく質の再合成能力が上がるという報告があります。
たんぱく質を多く含む食品
たんぱく質は、さまざまな食品に含まれています。
これらの食品を、1日の食事の中でバランスよく取り入れることが大切です。

食品ごとのたんぱく質量(目安)
よく食べる食品のたんぱく質量の目安をまとめました。
| 食品 | 量 | たんぱく質量 |
|---|---|---|
| 卵 | 1個 | 約6g |
| 納豆 | 1パック(40g) | 約7g |
| 牛乳 | 200ml | 約7g |
| ヨーグルト | 1個(100g) | 約3〜4g |
| 木綿豆腐 | 1/2丁(150g) | 約10g |
| 鶏むね肉 | 100g | 約22g |
| 豚肉 | 100g | 約20g |
| 焼き鮭 | 1切れ | 約20g |
| ツナ缶 | 1缶 | 約13g |
| さば缶 | 1/2缶 | 約10g |
たんぱく質を20gとれる食事の例
高齢者では、1食あたり 20g程度のたんぱく質を目安にすると摂取量を確保しやすくなります。
ごはんと組み合わせた例を紹介します。
| 主食+主菜 | たんぱく質量(目安) |
|---|---|
| ごはん+焼き鮭1切れ+卵1個 | 約20g |
| ごはん+鶏むね肉100gの照り焼き | 約22g |
| ごはん+さば缶1/2缶+冷ややっこ | 約21g |
| ごはん+豚肉80gの生姜焼き | 約20g |
| ごはん+ツナ1缶+ゆで卵1個 | 約21g |
| ごはん+納豆1パック+卵1個+牛乳1杯 | 約20g |
このように、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品を組み合わせることで、
無理なく1食20g程度のたんぱく質を摂ることができます。
食事量が少ない場合
高齢者では、食事量が少なくなり、たんぱく質が不足しやすいことがあります。
例えば
・食欲がない
・食事量が減った
・体重が減ってきた
といった場合には注意が必要です。
そのため、食事量が少ない場合は次のような工夫をすると栄養を補いやすくなります。
・1日3食だけでなく間食を取り入れる
・毎食たんぱく質食品を入れて、最初に食べる
・やわらかく食べやすい料理にする
・少量でも栄養価の高い食品を選ぶ
食事だけで必要量をとるのが難しい場合は、栄養補助食品を利用する方法もあります。
栄養補助食品を利用する方法
栄養補助食品は
・エネルギー
・たんぱく質
を少量で補うことができるため、食べたくても量を増やせない場合の栄養補給に役立つことがあります。
まとめ
高齢者のたんぱく質必要量の目安は
体重×1.0〜1.2g
です。
たんぱく質は筋肉や体力を維持するために重要な栄養素です。
肉・魚・卵・豆製品・乳製品などを毎食取り入れ、バランスよく摂ることが大切です。
食事量が少ない場合は、食事の工夫や栄養補助食品を利用しながら、無理のない形で栄養を補っていきましょう。