「高齢の母が便秘気味。食物繊維をとってほしいけれど、野菜をあまり食べてくれない」
「父が一人暮らしなので、簡単に食物繊維をとれるものを送りたい」
そんなときは、いつもの食事や飲み物、おやつに取り入れやすい食品を活用するのもひとつの方法です。
高齢者の場合、食物繊維の量だけでなく、毎日無理なく続けられるかも大切です。
私は病院で管理栄養士として高齢の患者さんの食事をみていますが、食が細くなった方に「野菜をもっと食べましょう」と言っても、実際には難しいことも少なくありません。
そこでこの記事では、高齢者でも取り入れやすいものとして、
- 飲み物や料理に混ぜる「イージーファイバー」
- 味噌汁に入れられる「乾燥わかめ」
- おやつとして食べられる「こんにゃくせんべい」
の3タイプを紹介します。
「健康食品を毎日飲むのは嫌」「料理はあまりしない」という方でも、自分に合った方法を選んでみてください。
※便秘にはさまざまな原因があります。食物繊維食品だけで便秘が改善するとは限りません。強い腹痛、嘔吐、血便、急な便通の変化などがある場合は、食品で様子をみず医療機関へ相談してください。
高齢者の便秘対策におすすめの食物繊維食品3選
まずは3つを比較してみましょう。
| 商品 | 取り入れ方 | 特徴 | こんな方におすすめ |
|---|---|---|---|
| イージーファイバー | 飲み物・料理に混ぜる | 1パックで食物繊維4.2g | とにかく手軽に補いたい |
| くらこん 手がるわかめ | 味噌汁などに入れる | 普段の食事に追加しやすい | 食品から取りたい |
| こんにゃくせんべい | おやつとして食べる | 間食を利用できる | お菓子を食べる習慣がある |
手軽さを一番重視するなら、イージーファイバーがおすすめです。
一方、「健康食品ではなく普段の食品から取りたい」という方なら乾燥わかめ、おやつを食べる習慣がある方ならこんにゃくせんべいというように選ぶとよいでしょう。
① イージーファイバー|食物繊維を手軽に補いたい方に
最初におすすめしたいのが、小林製薬のイージーファイバーです。
イージーファイバーは水溶性食物繊維を含む特定保健用食品(トクホ)で、1パックあたり食物繊維4.2gを摂取できます。メーカーでは、製品を使った臨床試験で1日1パックによるお通じ改善が確認されたとしています。
高齢者におすすめする理由
私が高齢者向けとして特に使いやすいと思うポイントは、食べる量を増やさなくてよいことです。
高齢になると、
- 食が細くなった
- 野菜をたくさん食べられない
- 料理するのが大変
- 一人暮らしで品数が少ない
ということがあります。
そんな場合でも、いつもの飲み物や料理に加えるタイプなら取り入れやすいでしょう。
「便秘だから野菜をもう一皿食べて」と言われても大変ですが、
今食べているものにプラスするだけなら続けやすくなります。
こんな方におすすめ
- 野菜や海藻をあまり食べない
- 食が細い
- 調理の手間を増やしたくない
- 毎日同じ量を取り入れたい
- 離れて暮らす高齢の家族に送りたい
個包装なのも便利なポイント。
家族が毎回計量しなくてもよいため、「1日1包」など使い方を決めておきやすいです。
\手軽さで選ぶなら/
注意点
食物繊維は多くとればとるほどよいわけではありません。
急に増やすと、お腹の張りなどにつながることもあるため、商品の使用方法を守って取り入れましょう。
また、食事がほとんど取れていない高齢者の場合は、便秘対策よりもエネルギーやたんぱく質不足への対応を優先したほうがよいことがあります。
② 乾燥わかめ|いつもの味噌汁にプラス
「できれば健康食品ではなく、普通の食品から食物繊維をとってほしい」
そんな方におすすめしたいのが乾燥わかめです。
今回取り上げる「海藻本舗カットわかめ」は、汁物や煮物ならそのまま入れられ、サラダなどに使う場合も水戻し約5分の商品です。
1袋100gあたり食物繊維39.2gが含まれています。
もちろん、1袋を一度に食べるわけではありません。
そのため「これだけで1日の食物繊維を補える」という食品ではなく、毎日の食事に少しずつ食物繊維をプラスする食品として考えるのがおすすめです。
1回0.5g使うとすると食物繊維約2gが含まれています。
高齢者におすすめする理由
乾燥わかめのよいところは、特別なメニューを作らなくても使えること。
例えば、
いつもの味噌汁
↓
乾燥わかめを追加
これだけです。
ほかにも、
- スープ
- うどん
- そば
- 煮物
などにも使えます。
「食物繊維をとるために毎日新しい料理を作る」のではなく、普段食べている料理に追加するという考え方にすると続けやすくなります。
こんな方におすすめ
- 味噌汁をよく飲む
- サプリメントや健康食品が苦手
- 食事から食物繊維を増やしたい
- 調理の手間をあまり増やしたくない
\味噌汁に入れるだけ/
塩分には注意
ここは管理栄養士として注意したいポイントです。
高血圧などで減塩が必要な方は、わかめを入れるからといって味噌やしょうゆを増やさないようにしましょう。
味噌汁なら、具材としてわかめを追加し、汁自体を濃くしないのがおすすめです。
③ こんにゃくせんべい|おやつから食物繊維を取りたい方に
3つ目は少し方向を変えて、こんにゃくせんべいです。
WARABI SHOTENでは、こんにゃくせんべいを食物繊維を含む低カロリーのおやつとして販売しており、和風だし・わさび・コンソメ・ハーブ&ビネガーなど複数の味があります。1袋15gの商品です。
楽天市場でもセット商品が販売されています。
高齢者におすすめしたいのは「おやつを食べる習慣がある人」
便秘対策というと、
「野菜を食べなきゃ」「健康食品を飲まなきゃ」
と思いがちですが、普段食べている間食を利用する方法もあります。
例えば毎日、
- せんべい
- スナック菓子
などを食べている方なら、ときどき食物繊維を含むこんにゃくせんべいに替えるという方法です。
「便秘対策のために何かを追加する」のではなく、
いつものおやつを置き換える
という考え方なら取り入れやすいでしょう。
こんな方におすすめ
- お菓子を食べる習慣がある
- 食事以外からも食物繊維を取り入れたい
- 普通の健康食品は続かなかった
- いろいろな味を楽しみたい
\おやつから食物繊維をプラス/
高齢者では「噛む力」に注意
ここはとても大切です。
せんべいタイプは、すべての高齢者におすすめできるわけではありません。
- 歯が弱い
- 入れ歯が合っていない
- 硬いものが噛みにくい
- むせることがある
- 飲み込みに不安がある
といった方には適さない場合があります。
「高齢者だからこんにゃくせんべい」と考えるのではなく、問題なく噛んで飲み込める方の選択肢として取り入れてください。
3つの中でどれがおすすめ?
迷ったら、私はイージーファイバーを選びます。
理由は、
- 1パックで食物繊維量が分かりやすい
- 食事量を増やさなくてもよい
- 個包装で管理しやすい
- 毎日の食生活に取り入れやすい
からです。
特に、
「高齢の親に野菜をもっと食べてほしいけれど、なかなか食べてくれない」
というご家族には取り入れやすいでしょう。
一方、食事をきちんと食べられていて、
「健康食品は使いたくない」
→ 乾燥わかめ
「おやつを毎日食べている」
→ こんにゃくせんべい
という選び方がおすすめです。
選び方をまとめると
手軽さ優先
→ イージーファイバー
普段の食事から
→ 乾燥わかめ
おやつを活用
→ こんにゃくせんべい
自分や家族の生活に一番取り入れやすいものを選びましょう。
高齢者の便秘=食物繊維不足とは限りません
ここまで食物繊維食品を紹介しましたが、高齢者の便秘で特に注意したいことがあります。
それは、
「便秘だから食物繊維を増やせばいい」とは限らない
ということです。
高齢者では、
- 食事量が減っている
- 水分摂取量が少ない
- 活動量が減っている
- 薬の影響を受けている
- 排便する力が弱くなっている
など、さまざまな要因が関係していることがあります。
食物繊維だけを増やすのではなく、まず普段の生活を振り返ってみましょう。
食物繊維食品を買う前に確認したい3つのこと
① 水分はとれていますか?
便がコロコロと硬い場合などは、食物繊維だけでなく水分摂取量も確認したいところです。
特に高齢者では、
「トイレが近くなるのが嫌」
という理由で飲み物を控えていることもあります。
朝・昼・夕の食事だけでなく、食事と食事の間にも水分をとれているか確認してみましょう。
ただし、心不全や腎臓病などで水分制限を指示されている場合は、自己判断で水分量を増やさず、医師の指示を優先してください。
② 食事そのものが減っていませんか?
以前より食べる量がかなり減っている場合は注意が必要です。
便秘対策のために低カロリーの食品ばかり増やしてしまうと、高齢者に必要なエネルギーやたんぱく質が不足する可能性があります。
特に、
- 最近痩せてきた
- ご飯を残すようになった
- 食欲がない
- 以前より元気がない
という場合は、便秘対策だけに集中しないようにしましょう。
③ 急に便秘になっていませんか?
以前は問題なく排便できていたのに急に便秘になった場合は、食生活以外の原因も考える必要があります。
また、
- 強い腹痛
- 吐き気・嘔吐
- 血便
- お腹の強い張り
- 急激な体重減少
などがある場合は、食物繊維食品で様子をみず、医療機関へ相談してください。
食物繊維は毎日の食事から取るのが基本
今回紹介した商品は便利ですが、基本になるのは毎日の食事です。
食物繊維は、
- 野菜
- 果物
- 海藻
- きのこ
- 豆類
- 穀類
など、さまざまな食品からとることができます。
例えば、
朝食に果物を追加する
味噌汁にわかめやきのこを入れる
白米に麦を混ぜる
など、小さな工夫でも構いません。
そのうえで、
「野菜を増やすのは難しい」
「食が細くてたくさん食べられない」
「毎日料理するのが大変」
という場合に、今回紹介したような商品を食生活の補助として利用するのがおすすめです。
高齢者の食物繊維食品についてよくある質問
食物繊維をとれば便秘は改善しますか?
食物繊維をとれば必ず改善するわけではありません。
便秘には、水分不足、食事量の低下、運動量、薬、病気などさまざまな要因が関係します。
「便秘=食物繊維不足」と決めつけないことが大切です。
毎日食物繊維食品を食べてもいいですか?
商品ごとに推奨される摂取量があるため、パッケージの表示に従って利用しましょう。
また、一つの商品だけに頼らず、普段の食事も一緒に見直すことをおすすめします。
食物繊維は多いほどいいですか?
一度に大量に増やす必要はありません。
急激に食物繊維を増やすと、お腹の張りなどにつながる場合もあります。
「便秘だからたくさん食べる」のではなく、少しずつ普段の食事に取り入れていきましょう。
便秘薬を飲んでいても使えますか?
便秘薬を使用している方や持病がある方は、自己判断で便秘薬を中止したり量を変更したりせず、医師や薬剤師に相談してください。
まとめ|高齢者は「無理なく続けられる食物繊維食品」を選ぼう
高齢者の便秘対策では、一度に食生活を大きく変えるよりも、毎日続けやすい方法を選ぶことが大切です。
今回紹介した3つなら、
手軽に補いたい
→ イージーファイバー
いつもの食事に加えたい
→ 乾燥わかめ
おやつを活用したい
→ こんにゃくせんべい
という選び方ができます。
中でも、食事量を増やさず、毎回量を決めて取り入れやすいという点ではイージーファイバーが最も手軽です。
ただし、高齢者の便秘は食物繊維不足だけで起こるわけではありません。
水分、食事量、活動量なども一緒に確認しながら、無理のない方法を取り入れてみてください。
\迷ったら手軽な食物繊維補給から/