
塩分3gの食事と聞くと、
「何を食べていいかわからない」
「味が薄くて続かなさそう」
と不安になる方が多いです。
外来や病棟で栄養指導をしていると、
“すべてを薄味にしないといけない”と誤解している方をよく見かけます。
実は、塩分3gの食事は
👉 味をつける場所を決めるだけで、意外と簡単に作れます。
ここでは、
減塩が初めての方でも実践しやすい
「塩分3gの基本献立の組み立て方」を紹介します。
このとおりそろえてください【基本の形】
減塩を無理なく続けるためには、
最初に「食事の型」を決めておくことが大切です。
基本は ごはん+副菜2品+主菜1品
この形にそろえることで、
塩分をコントロールしながら満足感のある食事になります。
主食はごはん🍚
パンや麺類には、もともと食塩が含まれています。
そのため、減塩を始めたばかりの方は
主食は塩分を含まない「ごはん」が一番コントロールしやすい主食です。
どうしてもパンや麺を食べたい場合は、
「食塩0g」の商品を選ぶようにしましょう。
副菜① 果物を1品加える🍎
1品目の副菜は果物がおすすめです。
果物は基本的に塩分0gで自然な甘さがあるため満足感を高めてくれます。
目安は、好きなものを小鉢にのる程度の量。
「おかずが少なくて物足りない」と感じる方でも、
果物を1品加えるだけで食後の満足感が変わります。
副菜② 生野菜か酢の物🥬
2品目は、生野菜か酢の物を選びます。
生野菜の味付け(下記から選びましょう)

① 塩ひとつまみ+オリーブ油+ブラックペッパー
② 細切りのナチュラルチーズ大さじ1+オリーブ油+ブラックペッパー
③ 塩ひとつまみ+ごま油+すりごま
④ 千切りしょうが+減塩和風ドレッシング 大さじ1
減塩中によくあるのが、
「野菜だから大丈夫」と思ってドレッシングを多くかけてしまうケースです。
ドレッシングは意外と塩分を含んでおり、
かけすぎるとそれだけで塩分オーバーになることもあります。
ドレッシングは量を決めて使うことが大切です。
量るのが手間だと思う方は、個包装のドレッシングがおすすめです。
酢の物の場合
酢の物は、酢と砂糖だけで作ってください。
市販の調味酢(かんたん酢など)は
食塩量が意外と多いため、使用は控えましょう。

主菜だけは味をしっかりつける【ここがポイント】
塩分3gの食事でも、
主菜だけはしっかり味をつけてOKです。
すべてを薄味にすると続けにくいため、
「ここだけはおいしく食べる」と決めておくことが、
減塩を続けるコツです。
以下から1つ選んで作ってみてください。
卵料理
スクランブルエッグ
作り方
①卵をボウルに割り入れ、よく溶きほぐします。
②フライパンを中火で温め、油を少量ひきます。
③溶き卵を流し入れ、弱めの火でゆっくりかき混ぜながら加熱します。
④半熟〜お好みの固さになったら火を止めて器に盛ります。
⑤仕上げにケチャップ大さじ1をかけて完成です。
目玉焼き
作り方
①フライパンを中火で温め、油を少量ひきます。
②卵を割り入れ、弱めの火でじっくり加熱します。
③白身が固まり、黄身が半熟になるくらいで火を止めます。
④塩ひとつまみ+ブラックペッパー、またはしょうゆ小さじ1で味付けします。
☆半熟にすることで、黄身のコクがより感じられて美味しく仕上がります。
魚料理
ホイル蒸し

具材は玉ねぎ・しめじ・まいたけ入れるのがおすすめです。
調味料を増やさなくても、素材のうま味と香りで満足できる一品です。
作り方
①アルミホイルに魚(生鮭・生たらなど塩漬けでないもの)と具材をのせ、調味料を回しかけて包みます。
②フライパンに水を約100ml入れ、ホイル蒸しを並べます(水は少ないよりやや多めがおすすめです)。
③蓋をして弱めの中火で加熱し、蒸し焼きにします。
④約15分を目安に加熱し、火が通ったら完成です。
☆蒸し焼きにすることで、素材のうま味を活かしたやさしい味に仕上がります。
調味料(味付け)は以下から選んでください。
・酢、清酒、本みりん(砂糖少々でも可) 各大さじ1
・マヨネーズ大さじ1+ブラックペッパー少々
肉料理
鶏肉のソテー

作り方
①鶏肉に調味料をまんべんなくまぶします。
②フライパンを中火で温め、サラダ油を少量ひきます。
③皮つきの場合は皮目から入れ、弱めの火でじっくり焼きます。
④皮がパリッとしたら裏返し、中まで火を通します。
☆皮目から焼くことで、香ばしく美味しく仕上がります。
調味料は下記から選びましょう。

① ハーブ(パセリ・タイム・ローズマリーなど)+塩2つまみ
② 一味唐辛子や山椒+塩2つまみ
③ カレーパウダー小さじ2+塩2つまみ
※カレーパウダーは10gあたり食塩相当量0.02gなど、食塩量がほぼ0の商品を選ぶ
牛肉とさつまいもの蒸し焼き

作り方
① さつまいもを大学芋くらいの大きさに切る
② 鍋にさつまいもを敷き、その上に牛肉1パック分を広げる
③ 塩を3つまみ振る
④ 水を約50ml入れる
⑤ 蓋をして弱火で蒸し焼きにし、時々混ぜる
☆さつまいもは、ねっとり系よりほくほく系がおすすめ
(紅あずま、紅こまち、パープルスイートロード、紅こがねなど)☆
トマト味強めの大豆カレー

トマトの酸味と大豆のうま味で、塩分を抑えても満足できる味になります。
作り方
①フライパンに油を少量ひき、中火で温めます。
②玉ねぎ1個(必須)、蒸し大豆、豆腐1丁を入れて加熱します。
③トマト缶1缶を加え、弱めの中火で煮込みます。
④全体に火が通り、水分が出てきたら混ぜながらなじませます。
⑤カレールーを1かけ加え、溶かして全体を整えたら完成です。
☆豆腐のやさしいコクとトマトの酸味で、減塩でも満足できるカレーに仕上がります。
減塩でも続けられる人がやっていること
ここまで読んでいただいた方は、
「減塩でも美味しく食べる方法」は分かってきたと思います。
ただ、実際に続けていく中で多いのが
- 味が物足りなくなる
- 毎回味付けを考えるのが大変
- 家族と同じ食事が難しい
という悩みです。
無理なく続けるなら「調味料選び」が大切
減塩を続けている方ほど、
調味料でうまく調整しています。
例えば
- 減塩しょうゆ(通常の約半分の塩分)
- 減塩だし(塩を使わなくても味が決まる)
- 塩分控えめのふりかけ(少量でも満足感あり)
これらを使うだけで、
味を我慢せずに減塩を続けることができます。
まとめ 塩分3gでも、食事はしっかり楽しめます
塩分3gと聞くと、
「味がしない」「続かない」と感じる方も多いかもしれません。
ですが実際は、
- 食材のうま味を活かす
- 香り(ハーブ・スパイス)を使う
- 甘みや酸味を取り入れる
といった工夫をすることで、
塩分を増やさなくても満足できる食事は作れます。
今回ご紹介したように、
- サラダの味付けをシンプルにする
- 酢の物は酢と砂糖で作る
- 蒸し焼きでうま味を引き出す
- スパイスで味に変化をつける
これだけでも、日々の食事は大きく変わります。
減塩は「我慢するもの」ではなく、
やり方を変えることで無理なく続けるものです。
まずは一品からで大丈夫です。
今日の食事にひとつだけ取り入れてみてください。
それが、無理なく続ける一歩になります。
