初回の栄養指導30分は、
その場の流れに任せて進めると、
話しすぎたり、逆に早く終わってしまったりしがちです。
私自身、新人の頃は
「何から話そう」
「次に何を聞こう」
と頭の中で考えながら指導をしており、
患者さんの話を聞きつつも
緊張してしまいなかなか思った通りにいきませんでした。
その結果、
聞きたいことを聞ききれなかったり、
説明が駆け足になったり、
行動目標が曖昧なまま終わってしまうことも少なくありませんでした。
うまく話せていないわけではないのに、
毎回どこか不完全燃焼のような感覚が残る。
そこで意識するようになったのが、
最初から話す流れを決めておくということです。
この記事では、栄養指導初心者の栄養士が30分指導するうえで
これだけ押さえておけばひとまず安心なポイントをご紹介します。
初回栄養指導30分の基本の流れ
初回30分は、
次の5つのパートに分けて考えています。
1.導入
2.情報収集
3.説明
4.行動目標の設定
5.まとめ・次回につなげる
この流れを頭の中に入れておくだけで、
「今どこまで進んでいるか」が分かり、
指導中に焦りにくくなります。
① 導入(最初の数分)
最初は、
自己紹介とこれからの30分の流れを簡単に伝えます。
例
「こんにちは。管理栄養士の○○です。よろしくお願いします。」
「先生からは何かお話はありましたか?
この前の血液検査で○○が高かったんですね。」
「今日はまず普段の食事についてお聞きして、
そのあと今後の食事のポイントを一緒に整理していきましょう。」
第一印象が大事なので最初は丁寧にあいさつしましょう。
② 情報収集(聞く内容を決めておく)
情報収集では、あらかじめ聞く項目を決めておきます。
初めて指導する場合は事前にどんな方なのかカルテをチェックする時間があると思います。
食生活に関する基本情報や指導する疾患に関連して聞かなければならない項目はピックアップしておきましょう。
| 基本情報 | 職業・勤務形態 | 事務職/交代勤務/夜勤など |
|---|---|---|
| 家族構成 | 独居/同居家族あり | |
| 既往歴・家族歴 | 母が糖尿病など | |
| 調理担当 | 本人/配偶者/家族 | |
| 生活リズム | 起床・就寝時間 | 平日・休日差 |
| 勤務時間 | 残業・不規則性 | |
| 食事回数・時間 | 欠食の有無/規則性など | |
| 食事内容 | 主食主菜副菜/揚げ物頻度など | |
| 睡眠 | 時間・質 | |
| 運動習慣 | 頻度・内容 | |
| 間食・飲料 | 間食 | 菓子・頻度 |
| 飲料 | 清涼飲料・カフェ飲料 | |
| アルコール | 種類・量・頻度 |
初回ではすべてを深く聞こうとせず、
全体像を把握することを目的にします。
③ 説明(話すテーマは1つ)
説明のパートでは、
テーマを1つに絞ります。
困っている点が複数あっても、
初回ですべて扱う必要はありません。
「今日はまず〇〇について整理しましょう」
と決めて話すことで、
説明が長くなりすぎるのを防げます。
一番の問題点を意識して深掘りしましょう。
例)糖尿病:ジュースが多い、菓子類が多い、ごはん大盛り など
あまり話してくださらない方には、
オープンクエスチョンで質問することを意識します。
オープンクエスチョンとは、
「はい・いいえ」で終わらない質問のことです。
例
「間食はしていますか?」ではなく
「間食はどんなものを、どんなときに食べることが多いですか?」
「外食は多いですか?」ではなく
「外食は月に何回くらいですか?どなたと行かれるんですか?」
患者さん自身の言葉で話してもらうことで、問題点が見えてきます。
④ 行動目標の設定(時間調整しやすい部分)
行動目標の設定は、
時間が足りないときにも、
余っているときにも調整しやすい部分です。
・いつ
・どこで
・何を
・どのくらい
を一緒に確認しながら、
患者さんの言葉で言い直してもらいます。
例
「今日のお話を通して、○○さんができそうなことはありましたか?」
「歩くのはできそうかな。」
「では、それをいつのタイミングでやれそうですか?」
ここを丁寧に行うことで、
30分が短く感じられることもあります。
⑤ まとめ・次回につなげる
最後は、
今日話した内容を簡単に振り返ります。
例
「今日は〇〇について確認しましたね。」
「次回は△△をもう少し詳しく見ていきましょう。」
次回の予告を入れることで、
「まだ改善できることがある」と感じてもらいやすくなり、
継続につなげることができます。
困ったときは、この話題に戻る
指導中に
「話が早く終わりそう」
「沈黙が気になる」
と感じたときは、
無理に新しい話題を探す必要はありません。
そんなときは、
次のどれかに戻ります。
・行動目標をもう一度確認する
・本人の優先度を聞き直す
・次回の内容を一緒に決める
戻る場所を決めておくことで、
指導中の迷いが減ります。
流れが決まっていれば、30分も意外とあっという間です。
初回栄養指導30分は、
アドリブで上手く回す必要はありません。
話す流れと、
困ったときに戻るポイントを
あらかじめ決めておくだけで、
心にも余裕ができ、
自分の伝えたいことを伝えられるようになります。
毎回の指導を少しでも楽にしたい方は、
参考にしていただけたら嬉しいです。