フレイル予防の食事|食事量が少ない高齢者の食事の工夫

「最近、体力が落ちた気がする」
「歩くのが少し大変になった」

高齢の家族を見ていて、このような変化を感じることはありませんか。

年齢を重ねると、食事量の低下や筋力の低下が起こりやすくなります。
その状態が続くと、フレイル(虚弱)と呼ばれる健康と要介護の間の状態に進む可能性があります。

フレイルは、早めに食事や生活習慣を見直すことで改善が期待できます。

この記事では、大学病院で働く管理栄養士の視点から
フレイル予防に役立つ食事の工夫を解説します。

この記事でわかること

・フレイルとは何か
・フレイル予防に大切な栄養
・食事量が少ないときの食事の工夫
・栄養補助食品の活用方法

目次

フレイルとは? 高齢者に多い虚弱状態

「フレイル(frailty)」とは、加齢によって筋肉や体力、心身の機能が低下した状態のことです。

健康な状態と要介護の中間に位置する状態と考えられています。

次のような変化が見られる場合、フレイルの可能性があります。

・体重が減ってきた
・歩くスピードが遅くなった
・疲れやすくなった
・活動量が減っている
・筋力(握力など)の低下

フレイルは放置すると

・転倒
・寝たきり
・認知機能の低下

などにつながることもあります。

しかし、早い段階で食事や運動を見直すことで改善が期待できます。

フレイル予防のカギは「たんぱく質+エネルギー」

高齢者の栄養指導では、
食事量の低下によるエネルギー不足・たんぱく質不足がよくみられます。

筋肉や体力を維持するためには

たんぱく質とエネルギーをしっかり摂ること

が大切です。

高齢者に必要なたんぱく質量(目安)

1日あたり

体重(kg)×1.0〜1.2g

(例)体重50kg → 50〜60g

ただし、腎臓病などがある場合は制限が必要なこともあります。
その場合は医師や管理栄養士に相談しましょう。

食事量が少ない高齢者の食事の工夫

食事量が少ないときは、
無理に量を増やすよりも食べやすくする工夫が大切です。

間食(補食)を取り入れる

高齢者では3食だけで栄養をとるのが難しいことがありま

その場合は間食を利用する方法があります。

(例)ヨーグルト、プリン、チーズ、牛乳、バナナ
などは、比較的食べやすく、たんぱく質やエネルギーを補いやすい食品です。

1日3食に加えて、10時や15時に少量の間食を取り入れることで、無理なく栄養を補うことができます。

・1日3食 → 4〜5回
・食事+間食

エネルギーの高い食品を取り入れる

食事量が少ないときは、少量でも栄養やエネルギーを補える食品を取り入れることが大切です。

特に、たんぱく質を含む食品を意識して取り入れると、筋肉量の維持や体力低下の予防につながります。

たとえば次のような食品があります。

・卵
・魚
・肉
・豆腐
・ヨーグルト
・牛乳
・チーズ

また、調理の工夫によって、少量でもエネルギーを補いやすくすることができます。

・味噌汁に卵を入れる
・牛乳を使ったスープやポタージュ
・ご飯にそぼろや卵をのせる

このように、普段の料理に少し工夫を加えることで、無理なく栄養を補うことができます。

食べやすい形にする

食欲がないときは、食べやすい形にすることも大切です。

(例)

・やわらかく煮る
・蒸し料理にする
・とろみをつける
・あんかけにする
・一口サイズにする

食べやすさを工夫することで、食事量が増えることもあります。

好きな食べ物を取り入れる

食欲が落ちているときは、食事を楽しむことも大切です。

無理に制限するよりも、
好きな食べ物を取り入れることで食事量が改善することもあります。

食欲がないときは栄養補助食品も活用

食事だけで栄養をとるのが難しい場合は
栄養補助食品を活用する方法もあります。

少量でもエネルギーやたんぱく質を補うことができるため、
食事量が少ないときの栄養補給として利用されることがあります。

冷たいものの方が食べやすい場合には、
冷たい栄養補助食品を取り入れる方法もあります。

1日分の高たんぱく献立例(やわらか食対応)

食事献立例
朝食ご飯+ツナ入り卵焼き+豆乳スープ+ヨーグルト
昼食鶏そぼろ丼+やわらか野菜の味噌汁+バナナ
夕食ご飯+豆腐の味噌汁+鮭のムニエル+かぼちゃの煮物

どれも

・噛みやすい
・飲み込みやすい
・たんぱく質がとれる

ように工夫したメニューです。

調理が難しいときは宅配介護食も

食事の準備が大変なときは、
宅配の介護食弁当を利用する方法もあります。

宅配介護食のメリット

・やわらか食など種類が豊富
・管理栄養士監修で栄養バランスが良い
・調理の負担が減る


食事の準備が難しいときには、
宅配サービスを上手に取り入れることも一つの方法です。

まとめ

フレイル予防には、
毎日の食事がとても大切です。

特に

・たんぱく質を意識してとる
・食べやすさを工夫する
・栄養補助食品を活用する

といった工夫が重要です。

「もう歳だから」とあきらめず、
食事を少し見直すことで体力や元気を維持することができます。

食べて元気に年を重ねることを、今日から始めてみませんか。

※当記事は一般的な栄養情報を紹介するものであり、個別の診療や治療を代替するものではありません。体調や治療については主治医や医療専門職にご相談ください。

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この記事を書いた人

しろ|病院勤務の管理栄養士

大学病院で栄養管理に携わっています。
病態栄養専門管理栄養士/NST専門療法士。

外来栄養指導や入院患者さんの栄養管理を通して、
「続けられる食事」の大切さを日々感じています。

このブログでは、
現場経験をもとに、暮らしに活かせる栄養の知識を発信しています。

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