「今までダイエットをいろいろ試したけど、続かなかった…」
「健康のために肥満症から脱却したい。」
「最近話題の肥満症の薬、気になるけど自分は使えるの?」
そんな疑問に答えます。
この記事では、肥満症の薬「ウゴービ」「ゼップバウンド」を使える条件や、どこで相談すればいいかなど、わかりやすく解説します。

💊 ウゴービ・ゼップバウンドってどんな薬?
どちらも週に1回、皮下注射で使う肥満症治療薬です。
脳の満腹中枢に働きかけ、食欲を抑える効果があります。もともと糖尿病治療薬として使われていた成分が、肥満症にも効果があるとして承認されました。
- ウゴービ(セマグルチド):GLP-1受容体作動薬
- ゼップバウンド(チルゼパチド):GLP-1+GIPの二重作動薬(より強力)
どちらも「飲むだけで痩せる薬」ではなく、医師の管理下で使う医療用医薬品です。
✅ 使える人の条件(導入基準)
1. BMIの条件
肥満があっても健康障害がないと対象外。
以下のどちらかを満たす人が対象です。
- BMI35㎏/㎡以上で、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかがある
- BMI27㎏/㎡以上35㎏/㎡未満で、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかがある
+その他の肥満に関連する11の健康障害が1つ以上あり、計 2 つ以上の健康障害を有する
2. 肥満症に関連する11の健康障害
- 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患
- 脳梗塞・一過性脳虚血発作
- 非アルコール性脂肪性肝疾患
- 月経異常・女性不妊
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
- 運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
- 肥満関連腎臓病
3. 他にも必要な条件
- 大学病院や肥満症専門外来など、ガイドラインに沿った体制が整った医療機関で治療を受けること
- 栄養食事指導(管理栄養士により2か月に1回以上)と運動療法の実施が前提
- 食事・運動療法を6か月以上実施しても十分な効果が得られない場合に導入可能
※BMI27㎏/㎡未満までやせた場合は適応外となる
つまり、6か月間は食事・運動療法に取り組む必要がある
病院に行けばすぐに薬を処方してもらえるわけではないことに注意
🏥 薬を使いたいと思ったら、どうすればいい?
- まずはかかりつけ医や内科で相談しましょう。
必要に応じて、肥満症治療を行っている医療機関を紹介してもらえます。 - 肥満症専門外来を受診しましょう。
処方可能な施設や医師の要件があります。肥満症治療の専門知識をもつ医師や管理栄養士がそろった施設で、治療の選択肢として薬物療法の相談をしましょう。 - 体重や生活習慣の記録をとっておくとスムーズ!
食事や運動内容、これまでの減量経験などが治療の判断材料になります。
⚠️ 薬に頼るだけではなく「生活習慣の改善」とセットで
ウゴービやゼップバウンドは、あくまで「生活習慣の改善をサポートする薬」です。
薬だけに頼っても、服用を終了(または中止)すると、2〜4週間以内に空腹感が戻り、リバウンドする可能性が高いです。
- 生活の見直し(脂質・糖質のバランス、間食の食べ過ぎ、外食が多いなど)
- 適度な運動
- 睡眠やストレス管理
これらを組み合わせて、長期的に健康的な体を目指すことが大切です。
肥満症治療薬開始後の流れ
- 2か月に1回以上の栄養指導を含めた適切な食事療法・運動療法は継続
- 投与開始3~4か月間は毎月、それ以降は2~3か月に1回、体重、血糖、血圧、脂質の確認がある
- ウゴービの場合最大 68 週間、ゼップバウンドの場合72週間投与することが可能
(一生使える薬ではない) - 副作用(吐き気、下痢、便秘など)が出ることもある
✨ まとめ
- 肥満症の薬は、一定の条件を満たした人のみが使える「医療用医薬品」です。
- ウゴービやゼップバウンドは、医師と管理栄養士のサポートのもとで使用します。
- まずはかかりつけ医や肥満症専門外来に相談することから始めましょう。
「本気で体重を減らしたい」「健康を取り戻したい」
そんな思いを支える選択肢のひとつとして、治療薬があります。
参考:
日本肥満学会 肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント
https://www.jasso.or.jp/data/Introduction/pdf/academic-information_statement_20250410.pdf
